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深刻なDX人材不足の問題
「DX推進の必要性は理解しているが進まない」
「DX人材が確保できない、社内にいない」
DX化が進まない原因として、「DXのための人材不足」が挙げられています。
本記事では、DX化に向けて必要不可欠な人材確保について、その現状と対策を詳しく解説いたします。
今後、どのようにDX人材を確保していくべきか悩んでいる中小企業の経営者、役員、ご担当者の方は、ぜひ最後までご覧になってみてください。
INDEX
2030年、DX人材は最大79万人も不足する
DX人材の不足は、一部の中小企業の問題に留まりません。全国的にDX人材の不足が発生しており、今後もより深刻になっていくと予想されています。
みずほ情報総研株式会社が行った「IT人材需給に関する調査」によると、IT人材の需要と供給の差(需給ギャップ)は年々加速しており、2030年にはDX人材不足が最大約79万人にまで拡大する可能性があると試算されています。
参照:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf
AIやビッグデータの分野は人材不足の深刻化が顕著で、将来的に新しいビジネスモデルを担う人材が不足する可能性が指摘されています。
日本企業の76%がDX人材不足を実感している
では現状はどうか、というとやはりDX人材が不足していると考える企業が多いようです。
参照:https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/qv6pgp0000000txx-att/000093701.pdf
IPA独立行政法人 情報処理推進機構が作成し「DX白書2021」によると、米国企業の約43%がDX人材の不足を感じているのに対し、日本企業は約76%が足りないと回答しています。
更に内訳を見てみると、データサイエンティストや先端技術エンジニア、ビジネスデザイナーなど、デジタル事業の企画・立案や根幹となる技術に精通した人材不足が顕著となっています。
DX人材が不足する原因
ではなぜ、これほどまでに日本ではDX人材が不足しているのでしょうか。
よく言われる労働人口の減少や市場の拡大などの影響は言うまでもありません。それに加えて、次のような課題もDX人材不足を加速させていると言われます。
DX人材が不足する原因
1.DX人材を採用できない
2.DX人材を育成できない
3.DX人材がDXに取り組む環境がない
4.社員や部署全体にデジタル化が浸透しにくい
これらの課題は、企業で対処、解決していくことも可能です。ここからはこれら4つの原因について、詳しく見ていきましょう。
1.DX人材を採用できない
最初に挙げられる課題が「DX人材を確保できない」という採用面の課題です。
先程も述べたようにDX人材が不足するなか、中小企業がDX人材を中途採用するハードルは年々高くなっています。同時に、DX人材を雇う余裕がない、という企業もあると思います。
新卒採用においても同様で、「新卒にはDXでなく実務をこなしてほしい」「ポテンシャル採用をしているから、DXスキルは求めていない」と考える企業もあり、新卒採用にDX人材の確保を掲げていない企業が多いことも一因となっているといわれています。
2.DX人材を育成できない
DX人材は採用に意識を向けがちですが、育成することも重要な課題です。
人口不足や専門人材の不足もあり、採用活動で十分な技術者や経験者を確保できるとは限りません。
ありとあらゆるものがデジタル化していく時代において、「自社でDX人材を育てる」という意識を持ってDXに向き合うことが重要です。
3.DX人材がDXに取り組む環境がない
せっかく、DX人材を確保したり、DX人材を推進チームを立ち上げても、直接関係のない業務に忙殺されて、肝心のDXの推進に時間を使えないという問題もあるようです。
DXのみを推進できる部署やチームを抱えられる企業は多くなく、業務の一環としてDXに取り組むというケースも多いため、検討と実装、定着に多くの時間を要するDXに十分な時間が割けていないことが伺えます。
また、DX推進メンバーが多部署で構成されている場合は、メンバー内の意思疎通不足や押し付け合いなども発生していると推察されます。この状況では、せっかくDX推進チームを立ち上げても、いつまで経っても人材不足どころかDX化も進まないでしょう。
4.社員や部署全体にデジタル化が浸透しにくい
社員や部署においての格差も問題になっています。ITに直接関わらない人には、IT化やDX化は理解しにくく受け入れ難いものだからです。
特に学生時代にIT技術やプログラミングについて勉強した経験のない中高年齢層にとっては、DX化は業務を複雑で負担を重くするものと嫌う人も少なくありません。
こうした状況のなかでDX推進チームや専門職がデジタル化を推進しようとしても、ほかの部署へなかなか理解を得られず、DX化が進まないという現状もあるようです。
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DX人材不足を解消するために必要な意識改革
これまでご紹介した様々な問題が重なった結果、現在のDX人材不足に繋がっています。
DX人材不足に向けて、会社としてどのようなアプローチを取るべきなのでしょうか。
ここからは、DX人材不足を解決するために必要となる、考え方について紹介していきます。
会社全体で危機感を持つ
DX化と聞いても、その言葉の意味や重要性の認識には大きな個人差があります。
DX化を効率的に進めるために、まずは会社として「なぜDX化が必要なのか」「そもそもDX化とはなにか」を社員間で認識をあわせることが重要です。
具体的な方法については後述しますが、専門人材を採用したり、既存社員は研修に参加させるなど、組織全体でDX化の理解度を高めていく施策を考えてみましょう。
全社員でDX化に取り組む
DX人材の育成とは、「スペシャリストを育てること」だけではありません。
一人や二人の専門性が高い人材を確保できても、退職してしまったり、特定の社員に仕事が集中してしまいDX化のスピードが加速しない可能性があるためです。
DX化は、いかに現場を巻き込むかがカギになります。
現場社員がデジタル活用の知識や必要性、効果を認識できれば、DX化の速度が上がるだけでなく、DXを応用した新規事業や既存事業の効率化のアイデアが出てくることもあります。
より効果的にDX推進ができる体制を目指して、現場も含めた全社員でDX化に取り組む意識が非常に重要です。
DX人材不足の解決策
多くの企業にとって避けて通れないDX人材不足について、どのような解決策があるのか考えてみましょう。
次の5つの手段について詳しく見ていきましょう。
DX人材不足の解決策
・既存社員を育成する
・DX人材を採用する
・社内制度を整える
・外部研修やeラーニングを活用する
・外部のコンサルタントに委託する
既存社員を育成する
DX化のカギを握るのは「既存社員」です。
日常業務や企業理念、ビジネスモデル、顧客層などを理解している既存社員は、「DX化によって何を実現するか」「どんな課題を抱えているのか」を理解しており、DX化を推進していくために必要不可欠な存在です。
そのため、まずは既存社員にデジタルリテラシー、ITの知識を身に着けてもらう必要があります。
会社のことを理解しているDX人材がいるかどうかは、効率的なDX推進と人材不足の解消につながるため、外部採用だけでなく既存社員の育成にも時間をかける必要があります。
DX人材を採用する
DX人材を採用する方法としては、経験のある中途採用もしくは、優秀な学生や若手を採用する方法が考えられます。
そもそもDX人材の採用において自社の求める要件やスキルを評価するためのスキルセットの定義が最初のステップです。求めるスキルセットを明確にしなければ、候補者が自社のDX推進に適しているかどうかを判断できません。また、変化の激しいDX推進の流れに対応できるように、常に求めるスキルセットや採用基準を見直していく準備を整えることも重要です。
経験豊富なDX人材を集められない場合には、優秀な学生や若手才能を引き込み、彼らがDXのプロフェッショナルとして成長できる環境を提供する方法も検討する必要があります。社内外の研修制度を通じて、学びながらDX化の実務に取り組むことが求められます。
DX人材の不足は企業にとって深刻な課題ですが、激しくなる採用競争に勝ち抜き、DX人材を獲得するための戦略を立てていきましょう。
社内制度を整える
DX化といっても求められる知識は幅広く、高い専門性が求められることもしばしばあります。そのため、知識不足から途中でDX化が頓挫してしまうケースも少なくありません。
こうした事態を避けるために、会社側で資格取得を支援する仕組みづくりが求められています。
IT領域における専門知識としては、「ITパスポート」や「個人情報保護士」、「データサイエンティスト検定」、「G検定」などたくさんの資格があります。
こうした資格を取得した社員には資格手当を出すなど、資格取得を促進する仕組みづくりについても検討してみましょう。
資格取得による給与アップだけでなく、「〇〇試験合格」と知識に箔が付くことで、より前向きに学習や業務に取り組める環境が整うはずです。
外部研修やeラーニングを活用する
ITパスポートやデータサイエンスなどの専門知識は、書籍のほか外部研修やeラーニングによる学習環境も整備されています。
AIやSaaSなど日々進歩していく技術やトレンドには、書籍の情報が追いつかないという問題も指摘されています。
外部研修やeラーニングであれば、常に最新の情報を得ることができ、より実践的な知識が得られます。DX人材育成には、研修や通信教育の利用も検討してみましょう。
外部のコンサルタントに委託する
近年、DX化の支援を行う企業が増えてきました。
こうした専門知識を持つ企業にDXを委託することで、効果的にDX化を推進することが可能になります。
いわゆるDXコンサルと呼ばれるものですが、大きく分けて「業務効率改善」と「新規事業創出」という2つに分類することができます。
「これからどんなDXを進めていきたいのか」
それによって依頼する企業や内容も変わってきます。自社に合うパートナーを見つけるためには、自社の考えるDX化を言語化することも大切です。
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まとめ
ここまで、DX推進に必要不可欠なDX人材がいかに不足しているか、その原因と対策について解説してきました。
2030年にかけて人材不足がより深刻化していくなか、中小企業がどのようにDX人材を確保していけばよいのか。
今後のビジネスの成功のカギを握っているといっても過言ではないでしょう。
ただし、DX人材の不足は残念ながら簡単に解決できる問題ではないのも事実です。採用と育成、戦略設計など、さまざまな検討が必要になることを考えると、外部の専門家の力を借りることも選択肢の一つとして考えられます。
自社の経営戦略に合ったDX人材の確保と育成を進めていきましょう。
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