実績・事例 CASE STUDY
人の手が多く掛かる業務をDX化~「調査入力サービス」開発~
導入先情報
・導入先:介護保険認定調査を行う民間企業
・導入時期:2018年
・開発期間:〜5ヶ月
・費用:〜700万円
機能要件・開発内容
・調査対象者が専用ノートパソコンを使い調査データの入力
・調査員が情報を確認の上、登録
・市区町村の担当部署に提出
・数千件/月の工数削減
・介護認定を受けるための訪問調査
取材ポイント
「調査入力サービス」の開発事例に関して、代表の福田にインタビューを実施しました。今回、開発を依頼したのは、市区町村からの依頼を受け介護保険認定調査を行う民間企業。人の手が多く掛かる業務を、システム開発を通じてDX化を実現した事例となります。
開発の背景や注力したポイント、選ばれた理由などについて、詳しくご紹介します。
(インタビュアーは外部の方にお願いして、会話形式で実施しています)
Q 「調査入力サービス」開発を受注したきっかけについて教えてください?
福田:
元々、会社代表とは繋がりがありました。ある時、会話の中で「業務改善を進めたい」という話をお聞きしたのがきっかけです。
Q お話を受けてどのような提案をされたのでしょうか?
福田:
話を聞いてみると、人の手が多く掛かる運用であったため、IT化によって省人化できるという話をしました。
Q 調査入力サービスを実現できる市販品を利用するという方法もあると思います
福田:
確かに、大手の東芝や富士通などが開発した調査入力サービスも当時ありました。ただ、市販品は月額コストも高かったし、民間調査会社が自分たちの使いやすいシステムを構築したかったため、独自のシステムを欲しがっていました。
Q 調査入力サービスの開発はどのように進んでいったのでしょうか?
福田:
まずは現在の業務フローについて詳しく話をお聞きしました。当時の業務の流れとしては、介護調査を実施する際、
1.調査担当者が、対象者の家に行く
2.対象者にヒアリングを行う
3.紙の調査書(70項目以上)を記入
4.調査担当者が、調査書をFAXを使い本部へ送信
5.本部は、調査書をExcelに入力
6.人の目で、誤字脱字のチェックを実施
7.調査書のExcelデータを印刷
8.自治体の担当者にFAXもしくは郵送で提出
9.市区町村の担当者がOCR(スキャナー)で読み取りを行う
といった流れになっていました。
調査書の記入〜印刷(3〜7部分)に関しては、調査入力サービスの開発で省人化できると考えました。
ちなみに、8と9に関しては、自治体がデータ提出も許可してもらえれば更に効率化できると考えているので、まだまだ発展途上です。(※OCRで読み込む作業が必要なくなりなるそうです。)
Q 従来はアナログな方法でアンケートと集計作業を行っていたのですね。
福田:
そうですね。特に本部で行うExcel入力には、人の手が多く掛かっていました。
調査担当者はヒアリングを行いつつ手書きで調査書に記入していたので聞き取りに時間が掛かり、本部のExcel入力担当者は調査書の文字を読み取れない問題も起きていることを知りました。
Q 調査入力サービス開発におけるポイントを教えてください
福田:
介護保険認定調査の対象者は、それぞれ異なる市区町村に住んでいます。そして市区町村ごとに介護保険認定調査のフォーマットが異なります。
調査入力サービス開発において、対象エリア全てのフォーマットに対応させる必要がありました。
当時調査を実施していたのは約20の市区町村。それぞれのフォーマットに対応させる必要があり、市区町村を選択するとフォーマットや質問項目が自動で切り替わるプログラムを実装しました。
また、誤字脱字のチェックにも時間が掛かっていると伺っていたので、文法や入力ミスを自動でチェックする機能も組み込まれています。
Q 介護保険認定調査は全国で行われてると思います。調査エリアが追加された場合にはどうするのでしょうか?
福田:
もちろん違う市区町村向けに、フォーマット変更も対応できます。
開発時点で、将来的に他の市区町村のフォーマットに対応できるように開発しています。
実際、システム導入後に市区町村のフォーマット追加の依頼を受けて対応した実績もあります。新しい市区町村のフォーマットを頂いてから、2〜3週間ほどで実装することが可能です。
Q 開発された調査入力サービスはWebサービス(ブラウザから操作する)でしょうか?
福田:いえ、パソコンにインストールして利用する、デスクトップアプリとして開発しています。
Q 最近のDX化はWebサービスやクラウド型が多いと思いますが、あえてデスクトップアプリを開発されたのは何故でしょうか?
福田:
もちろん、理由があります。
介護保険認定調査の対象者は必ずしも都心に住んでいるとは限りません。中には電波の届きにくい山奥に住んでいらっしゃる方もいます。
Webサービスやクラウド型の場合、電波の届かないところでは利用することができません。電波がなければ、結局紙に記入する運用に戻ってしまいます。
そういった事態でも対応できるように、デスクトップアプリの開発を行いました。インストールして利用する仕様なので、電波の届かないところでも問題なく入力作業を行うことが可能です。
インタビュアー:
デスクトップアプリにしたのは、圏外でも利用できるようにするためだったのですね。
Q 調査入力サービスの開発において、スミリオンが選ばれた理由はどこにあるとお考えですか?
福田:
ひとつは、先ほどお話ししたとおり、元々お互いのことを知っていて、スミリオンであれば開発できると信頼いただいていたことが挙げられると思います。
加えて、提案内容と開発費用にも満足いただけました。
システム開発は企業によって費用感が大きく異なり、大手で作ると倍くらいすることもあるようです。
将来の機能追加を見越した開発、汎用性を持たせた設計など、大手ではないからこそ寄り添ったご提案ができる点も、選ばれた理由かもしれません。
Q 調査入力サービスの導入後、導入先企業からはどのような声が届いていますか?
福田:
実は、そのあたりはきちんと聞けていないのですが・・・(笑)。
調査入力サービスは、当初、導入先での利用を想定していましたが、最近はこのシステムを活用して事業の横展開にも成功しているようです。本システムを活用して、自分たちで介護保険認定調査を行っている市区町村もあると聞いています。
あとは、Excel入力を担当していた本部のスタッフからは、「すごく楽になった」という声も上がっているようです。
Q 開発後のアフターサポートも行っているのでしょうか?
福田:
もちろん対応しています。
導入先からは、「他の調査もシステム化を進めたい」とさらなるご相談を頂いています。今後、追加の開発を行うかも知れません。